第140章 心が汚れた人には何もかも汚く見える

そばにいた有川菜央は、淡いピンクのワンピースに身を包み、小さなぬいぐるみを握っていた。水野佑奈の姿を見つけた瞬間、反射的にこちらへ駆けてくると、花が咲くような笑顔でその胸に飛び込んだ。

このところ佑奈は、できる限り時間を作って菜央に寄り添ってきた。いっしょにご飯を食べ、遊び、胸の奥に溜め込んでいた悔しさを聞いてやる。母娘のあいだに横たわっていた溝と誤解は、少しずつ溶けていき、関係は目に見えて柔らかくなっていた。

佑奈もまた、菜央を見てふっと表情をほどく。歩み寄り、小さな手をそっと包み込んだ。

「菜央。今日も、ちゃんと頑張っておいで。ママ、信じてる。……ファイト」

菜央は力いっぱい頷き...

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